サムヤン(SAMYANG Optics)——韓国が生んだレンズメーカーの半世紀と、その先

韓国・馬山(マサン)。釜山から西へ車で1時間ほどの港湾都市に、従業員わずか130名ほどの光学メーカーがある。LKサムヤン(旧サムヤンオプティクス)——1972年の創業以来、50年以上にわたりカメラ用交換レンズを作り続けてきた、韓国唯一の交換レンズメーカーである。
日本のカメラユーザーにとって「サムヤン」の名前は、手頃な価格のMFレンズメーカーとして記憶されているかもしれない。しかし近年、同社はAFレンズで目覚ましい躍進を遂げ、2024年にはドイツの名門シュナイダー・クロイツナッハとの提携を発表。2025年のCP+では共同開発ズームレンズを展示し、世界の写真愛好家の注目を集めた。
一方で、中国発の新興レンズメーカーが急速に台頭し、かつてサムヤンが独占していた「低価格・高品質サードパーティレンズ」の市場は激しい競争にさらされている。
本稿では、サムヤンの創業から現在に至るまでの歴史を、韓国の光学産業や日本のカメラ産業との関係も交えながら詳しく辿る。なぜ韓国にはカメラメーカーが少ないのか、サムヤンはどのようにして生き残ってきたのか——その答えを、以下の各章で探っていく。
サムヤン(SAMYANG Optics)——韓国が生んだレンズメーカーの半世紀と、その先
- サムヤン(SAMYANG)・ロキノン(Rokinon)とは何か
- デジタル一眼レフ以前のサムヤン——OEMとミラーレンズの時代(1972〜2007)
- デジタル一眼レフ時代のサムヤン——高品質MFレンズへの転身(2008〜2015)
- ミラーレス時代のサムヤンとAFレンズへの参入(2016〜現在)
- 中華レンズとの競合——サムヤンが切り拓いた道と新たな挑戦者たち
- 欧米市場におけるサムヤンのプレゼンス——ロキノン、バウアー、そしてLKサムヤンへ
- なぜ韓国にはカメラ関連企業が少ないのか


