HOYA(7741)——カメラを手放した光学ガラスの巨人は、医療と半導体で世界を握る

目次

投資家向け補足

  • 株価・時価総額:株価25,055円、時価総額約8.4兆円(2026-10-09終値)。2026年の高値は30,400円(4/15)で時価総額は一時10兆円を超え、安値は22,165円(9/16)でした。
  • バリュエーション:実績PER約34倍(FY2026/3 のEPS 743.93円で計算)・PBR約8.3倍(2026-10-09)と、高ROEを反映した高い評価。市場はEUV・AIデータセンター需要の拡大を相当程度織り込んでいると見られます。
  • FY2027/3 見通し:HOYAは通期業績予想を期初に開示しない方針です。第1四半期決算時に上期予想(売上収益5,210億円・親会社帰属利益1,310億円)を公表し、通期予想は第3四半期決算時に出します。アナリストの目標株価は平均約30,200円(15名、レンジ23,100〜35,000円。Investing.com、2026年10月時点)。
  • 株主還元:配当はFY2025/3 160円→FY2026/3 295円(配当性向40%目安の累進配当)。2026年1月に決議した1,000億円の自社株買い(2〜7月)に続き、7月31日には上限2,000億円・1,000万株(2027年3月まで)の新たな取得枠を決議し、9月の1か月だけで約250億円分を買い付けました。円安で積み上がった現預金を、段階的に株主へ還元する方針です。
  • 株主構成:信託銀行の信託口に加え、ステート・ストリート、ノルウェー政府ファンド、ドイツ銀行など外国機関投資家が多数を占める典型的なグローバル大型株。創業家(山中家)の支配的持株は見られず、指名委員会等設置会社としてガバナンスも整備されています。

写真・映像好きへの補足:HOYAはいまもカメラ業界の「黒子」

カメラから撤退したHOYAですが、映像業界との縁が切れたわけではありません。

  • ミラーレス交換レンズ向けの高精度光学ガラスを供給。
  • ガラスモールド非球面レンズ(GMO)で高いシェアを持ち、小型・高性能レンズの普及を支えています。
  • ウェアラブル/アクションカメラ向けレンズや、光通信用の近赤外偏光ガラスCUPOなど、ニッチで高付加価値な光学部材も手がけています。
  • そして「PENTAX」ブランドのメガネレンズは、いまも世界で展開されています。

もっとも、HOYAの映像事業のなかでカメラ向けは一部にすぎません。会社説明資料によれば映像事業の売上は「デジタルカメラ関連 約30%」「その他用途 約70%」で、車載・産業・医療・光通信など非カメラ用途へと広がっています。2026年度からは、この製品区分の名前そのものが「映像関連製品」から「光学ソリューション」に改められました。映像以外の光学製品が増えたためです。

なお、2026年9月9日にリコーイメージングが発表した PENTAX の現行Kシリーズ(デジタル一眼レフ)の製造終了は、カメラ事業を2011年に手放したHOYAの業績には直接関係しません。HOYAに残った PENTAX の名は、いまも内視鏡(PENTAX Medical)やメガネレンズで使われています。つまりHOYAは、カメラ本体という「完成品」の表舞台からは降りた一方で、レンズの中身を支える「黒子」として、いまも私たちの写真・映像体験を陰で支え続けているのです。

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参考文献

  • HOYA株式会社 会社概要・沿革・事業紹介(https://www.hoya.com/)
  • HOYA 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(2026-04-30)/第3四半期決算説明会資料
  • HOYA 有価証券報告書 第88期(2026-06-05提出)
  • HOYA 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕・補足資料(2026-07-31)
  • HOYA「自己株式の取得状況に関するお知らせ」(2026-10-01)、「子会社等の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」(2026-10-09)
  • Western Digital「WD Completes Acquisition of Hoya’s Magnetic Media Operations」(2010-06-30)
  • リコーイメージング「PENTAXデジタル一眼レフカメラは新たなステージを目指します」(2026-09-09)
  • 株価・指標:日本経済新聞 株価推移、マネックス証券 銘柄スカウター(いずれも2026-10-09)、Investing.com アナリスト予想
  • HOYA 統合報告書(HOYA REPORT)2024・2025(事業概況・推定市場シェア)
  • 各種市場調査(EUVマスクブランクス市場:SNS Insider/YHResearch ほか)、メガネレンズ世界シェア(deallab)、設備投資推移(irbank)、FY2027コンセンサス(QUICK/Simply Wall St)

免責事項

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断は読者ご自身の責任で行ってください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、その後の変動について筆者は責任を負いません。
筆者は本記事で扱う企業と資本関係・契約関係にありません。広告・取材供与など、金銭・物品の受領はありません。

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