
カメラを手にしているとき、「もう少し自由に撮れたら」と思ったことはないでしょうか。
三脚を立てるほどでもないけれど、手持ちだと少し不安定。自撮りしたいけれど、腕が短くて画角に収まりきらない。リモコンを別途持ち歩くのが億劫。
そんな小さな不満を、たった一つのアクセサリーで解決してくれるのが、SmallRig SR-RG2です。
グリップ、セルフィースティック、卓上三脚、ワイヤレスリモコンの四つの機能を一体に凝縮したこのアイテムは、日常の撮影スタイルをさりげなく、でも確実にアップグレードしてくれます。
この記事では、グリップ一体型の SR-RG2(型番:4551) と、リモートコントローラー単体の SR-RG2(型番:5207) の両モデルについて、特徴・使い勝手・純正コントローラーとの違いまで詳しく解説していきます。

この記事はこんな人に向けて書いています
- ソニー・キヤノン・ニコンのミラーレスを使っている
- Vlog や日常スナップを気軽に楽しみたい
- 荷物を増やしたくないが、撮影の自由度は上げたい
- カメラアクセサリーを賢く選びたい
SmallRig とは
SmallRig(スモールリグ) は、2013年に中国で創業したカメラアクセサリーブランドです。世界中のフォトグラファーや映像クリエイターから高い支持を受けており、ケージ、リグ、グリップ、三脚、マット、NDフィルターなど、撮影現場に必要な様々なアクセサリーをラインナップしています。
SR-RG2 は、そんな SmallRig が送り出す「多機能ワイヤレスシューティンググリップ」の最新モデルです。
SmallRig SR-RG2 とはどんな製品か

グリップ一体型モデル:SR-RG2 Multifunctional Wireless Shooting Grip(型番:4551)
SR-RG2 4551 は、グリップ・セルフィースティック・卓上三脚・ワイヤレスリモコンの四機能を一体化したマルチファンクショングリップです。
カメラ底面の 1/4インチネジ穴に取り付けるだけで使用できます。持ち手部分には操作系のコントロールモジュールが搭載されており、これがマグネット式で脱着可能になっている点が最大の特徴です。グリップとして使うときはコントローラーをグリップに装着し、三脚モードではコントローラーを取り外してリモートで操作する、という切り替えが直感的にできます。
主なスペックは以下の通りです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 最大耐荷重(三脚時) | 1.5 kg(3.3 lb) |
| 最大耐荷重(セルフィースティック時) | 0.8 kg(1.76 lb) |
| 重量 | 210 g(7.4 oz) |
| 最大延長時の長さ | 32.1 cm(12.6 in) ※4551 |
| リモコン操作範囲 | 最大 10 m(32.8 ft) |
| バッテリー充電 | USB-C / 満充電 2.5 時間 |
| 連続使用時間 | 最大 40 時間 |
SmallRig SR-RG2 Multifunctional Wireless Shooting Grip 4551
リモートコントローラー単体モデル:SR-RG2 Wireless Remote Controller(型番:5207)

5207 は、4551 に搭載されているコントロールモジュールを単体製品として販売するモデルです。
すでに別途グリップや三脚を持っている方、あるいはジンバルなどに取り付けて使いたい方に向けた選択肢となります。Velcro ストラップが付属しており、ジンバルのハンドルに固定しながら同時にリモートコントロールを行うことも可能です。また、シリコン製の保護ケース・リストストラップが同梱されており、落下・傷への耐性が高められています。
機能面は 4551 のコントロールモジュールと共通で、対応カメラも同一です。

対応カメラについて
コントロールモジュール(4551・5207 共通)は、Bluetooth 経由でカメラとペアリングして動作します。そのため、対応機種かどうかの事前確認が必須です。
現時点での対応状況は以下の通りです。
- Sony:ZV シリーズ、α7 シリーズ、α6000 番台など、幅広くカバーされています
- Canon:EOS R シリーズ、PowerShot V1 など、一定数の機種に対応しています
- Nikon:Z50 II など、対応機種は比較的少ない状況です
SmallRig の公式アプリ「SmallRig Up」を通じてファームウェアアップデートが可能なため、今後対応機種が追加される可能性があります。購入前には必ず公式サイトで自分のカメラが対応しているかを確認してください。
製品の特徴:良いところ
1. 四つの機能がこれ一つに収まります
グリップ、セルフィースティック、卓上三脚、リモコン。通常は別々に購入・持ち運びが必要なアイテムを一つに統合しています。バッグの中をすっきりさせたい方にとって、これは本当に助かるポイントです。
2. マグネット式コントロールモジュールの設計が秀逸です
コントロールモジュールはマグネットでグリップに装着されており、ワンアクションで着脱できます。三脚にセットしてから離れて撮影する、という動作がスムーズに行えるのが気持ち良いポイントです。
3. リモコンとしての完成度が高いです
搭載されているコントロールは以下の通りです。
- シャッターボタン(半押し対応):ピント合わせも可能
- 録画ボタン:動画スタート・ストップ
- ズームロッカー(W/T):電動ズームレンズに対応
- カスタムボタン(C):カメラ側の Fn1 設定に連動
単なるシャッターリリースにとどまらず、録画・ズーム・カスタム機能まで備えているのは純正リモコンにはない強みです(後述)。
4. USB-C 充電・最大 40 時間使用できます
USB-C ポートで充電できます。2.5 時間でフル充電でき、連続使用は最大 40 時間と長持ちです。撮影中に「バッテリー切れ」で焦る場面が減ります。
5. 軽量・コンパクトです
本体重量は 210 g 程度。バッグに入れてもかさばらず、持ち運びの負担がほとんどありません。
製品の特徴:気になるところ
正直にお伝えします。完璧な製品ではありません。以下の点は購入前に把握しておいてください。
1. 対応機種が限られます
繰り返しになりますが、Bluetooth コントロールを活かすには対応機種であることが前提です。特にニコンユーザーの方は注意が必要で、現時点での対応機種は少ない状況です。
2. セルフィースティックとしての延長幅は控えめです
最大延長は約 32 cm(4551)または 14.6 cm(5207 単体の場合)。腕の延長程度の感覚で、大人数のグループショットや広角の自撮りには向かない場面もあります。専用のセルフィースティックには及ばないという点はあらかじめご理解ください。
3. 三脚として使う場合はカメラの重量バランスに注意してください
三脚モードの耐荷重は 1.5 kg です。ミラーレスカメラ+軽量キットレンズの組み合わせなら問題ありませんが、重めの望遠レンズを装着した場合は安定性が落ちます。また、脚の左右幅が若干アンバランスで、カメラはレンズが本体側に重心がくるよう配置すると安定しやすいです。
4. セルフィースティック延長時は三脚脚部と併用できません
スティックを延ばした状態で三脚の脚を広げると、重心が崩れて転倒リスクが高まります。延長した状態では手持ちで使うことを前提とした設計です。「高い位置で三脚として固定したい」という用途には向きません。
5. 使用できるのは数mまで
カメラとの通信はBluetooth接続です。そのため、あまりにも距離があるとカメラが反応しません。例えば筆者がカメラを三脚に据え、家族で写真を撮ろうとしたとき中望遠レンズで全身を入れようとして15mくらい離れたところから使おうとしたところ、全く反応しませんでした。スタジオ内で撮影する際に4,5mくらい離れたところから使うことがありますが、反応しないという経験がなかったため少し驚きました。とはいえ、そんなに離れたところから使うことはあまりないと思いますので、気にする必要はないでしょう。
三脚としての使い勝手
卓上三脚モードは、グリップ底部にある 2 本の小さな脚を展開することで成立します。テーブルの上や床に置いてのライブ配信、Vlog 撮影、ブツ撮りには十分な安定感があります。
撮影高さはおよそ 約 10 cm 前後と低めです。テーブル面に近いアングルでの撮影に向いています。目線の高さや立った状態での固定には、別途三脚が必要になります。
用途をはっきりさせれば「卓上で手軽に固定したい」というシーンにはよく応えてくれます。一方で「どんな場面でもこれ一本で完結する」というほどの汎用性は持っていないため、用途に合った使い方を理解しておくことが大切です。
純正コントローラーにはないメリット
ソニーやキヤノン、ニコンも純正のワイヤレスリモートコマンダーを販売しています。では SR-RG2 はそれらと比べて何が違うのでしょうか。
多機能であること
純正リモコンの多くは「シャッターを切る」「録画を始める・止める」といった基本機能にとどまります。一方、SR-RG2 には電動ズームのコントロールとカスタムボタン(Fn1 連動)が追加されており、撮影中に手元で操作できる範囲が広いです。
グリップ・三脚との一体化
純正リモコンはリモコン単体としての設計です。SR-RG2 はグリップや三脚機能とセットで設計されているため、「リモコン+三脚+セルフィースティック」を別々に揃える必要がなく、機能あたりのコストを抑えられます。
SmallRig Up アプリによるファームウェア更新
対応機種の追加や機能改善が、アプリ経由でのアップデートによって継続的に行われます。買い切りの純正リモコンにはない、継続的なサポートが受けられる点もメリットです。
USB-C 充電
純正リモコンの多くはボタン電池や古い規格の充電器を使います。SR-RG2 は USB-C 充電に対応しており、スマートフォンやカメラと同じケーブルで管理できます。荷物を減らしたい方には地味に嬉しいポイントです。
筆者はソニーとキヤノンのカメラを使用しているのですが、どちらでも使用することができるのでかなり便利です。また、USB-Cでの充電なので外出先でバッテリー切れしてしまってもNP-Fバッテリー、ノートPC、モバイルバッテリーなど充電方法はいくらでもあるのが強みです。なお注意としては、リモコンの充電入力電圧が 8V を超えないようにしてください。その点だけ注意です。
まとめ:SR-RG2 はこんな人に向いています
SR-RG2(4551・5207)は、日常的に写真や動画を撮る方の「小さな不便」をまとめて解消してくれるアイテムです。すべての機能でトップクラスを求める方には物足りなく感じる場面もあるかもしれませんが、コンパクトにまとめたい・荷物を増やしたくない・でも撮影の自由度は高めたい、という方には本当によくできた製品だと思います。
特に、対応機種のソニー・キヤノンユーザーにとっては、試してみる価値は十分にあります。
どちらのモデルを選ぶかについては、
- グリップ・スティック・三脚もセットで欲しい → 4551
- すでにグリップや三脚はある、リモコン機能だけ追加したい → 5207
という基準で選んでみてください。
対応機種(公式サイトより)
Canon
EOS R5, EOS R5 II
EOS R6, EOS R6 Mark II, EOS R6 Mark III
EOS R8, EOS R
EOS R7, EOS R10, EOS R50,
EOS R50V, PowerShot V10
G7 X Mark III
EOS M200, EOS M50 II
Sony
α1, α1 II
α9, α9 II, α9 III
α7 III, α7 IV, α7 V
α7R III, α7R IV,α7R V
α7SIII
α7C II, α7C, α7CR
α6700, α6600, α6100, α6400
ZV-E1, ZV-E10, ZV-E10 II, ZV-1 II, ZV-1, ZV-1F
FX3, FX3A
Nikon
Z 50 II, ZR
参考ウェブサイト
- SmallRig 公式製品ページ(4551): https://www.smallrig.com/SR-RG2-Multifunctional-Wireless-Shooting-Grip-4551.html
- SmallRig 公式製品ページ(5207): https://www.smallrig.com/SR-RG2-Wireless-Remote-Controller-5207.html


